オルセー美術館企画 ピエール・ボナール展

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視神経の冒険
ぼんやりとした印象を与え、構図も遠近感も不可思議なボナールの絵をよく見ると、思いがけない発見があります。目がとらえた形や色がものとして意味をなす以前の「なまの見かた」を絵にする試みを、ボナールは手帖に「絵画、つまり視神経の冒険の転写」と書きつけています。
《ル・カネの食堂》

《ル・カネの食堂》1932年 油彩、カンヴァス オルセー美術館 (ル・カネ、ボナール美術館寄託)© Musée d'Orsay, Dist. RMN-Grand Palais / Patrice Schmidt / distributed by AMF

ユビュ王
『入院したユビュおやじ』

『入院したユビュおやじ』(アンブロワーズ・ヴォラール) ジョルジュ・クレ社、パリ 1917年刊
個人蔵

illust
第一声「くそったれ!」で始まるアルフレッド・ジャリの戯曲『ユビュ王』は、辛辣で卑猥なせりふに満ちた芝居で、当時、大スキャンダルを巻き起こしました。この芝居にインスパイアされたボナールは軽妙洒脱なイラストを描いており、素描家、カリカチュリストとしても才能を存分に発揮しています。
動物
『博物誌』

『博物誌』 (ジュール・ルナール) エルネスト・フラマリオン社、パリ 1904年刊 個人蔵

illust
動物を愛し、猫と4匹の犬を飼っていたボナール。生涯で残した2300点あまりの絵画のうち700点ほどに動物を描き込んでいます。ジュール・ルナールの『博物誌』の挿絵では、ロバやニワトリ、クジャク、シカ、ウサギといった多種多様な動物を生気あふれるタッチで描き出しています。
《白い猫》

《白い猫》
1894年 油彩、厚紙 オルセー美術館© RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF

《化粧室 あるいは バラ色の化粧室》

《化粧室 あるいは バラ色の化粧室》1914-21年 油彩、カンヴァス オルセー美術館 ©RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF

マルト
1893年、パリの街角でボナールはマルト・ド・メリニーと名乗る少女と出会います。この時ボナールは26歳、マルトは16歳だと彼に告げました。華奢な体つきに紫がかった青い目をした彼女は、やがてボナールの恋人となります。1日に何度も入浴するマルトのために、晩年の家に当時としては贅沢な浴室を備えつけました。ボナールがマルトの本名と実年齢(ボナールよりも2歳年下)を知ったのは、1925年に2人が正式に結婚したときでした。
ジャポニスム
ジャポニスムが一世を風靡した19世紀のパリ。ボナールも歌川国貞や国芳、広重の浮世絵を所蔵し、「日本かぶれのナビ」と呼ばれるほど日本美術を愛好していました。屏風を思わせる縦長の構図や、平板な色面構成、遠近表現には、浮世絵からの影響がみられます。
《庭の女性たち》

《庭の女性たち》1890-91年 デトランプ、 カンヴァスで裏打ちされた紙(4点組装飾パネル) オルセー美術館© RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF